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小学1年生のとき、ほぼ保健室登校だった話~起立性調節障害の疑い~

約20年前、わたしは小学校1年生の頃、ほとんどの登校日を保健室で過ごしていた時期があります。

その頃は、本当に体調が悪いのに、病院に行って精密検査をしても特に問題はなし。

あのときは、なにか診断が出るということもなかったんだけど、今考えるとあれは「起立性調節障害」だったんじゃないかな?と思います。

確定診断を受けた訳じゃないし、今さらあのときのことをどうにかしたいとも思わないけど、保健室登校だったときの記憶を辿ろうと思います。

 

目次

小学校入学以前の症状

わたしの記憶では、わたしが保健室登校になる兆候は、3歳くらいから発現しています。

兆候となる症状は「頭痛」

3歳の子どもが頭痛を訴えるってなかなかないことのようなのですが、いきなり立ち上がったり、長時間乗り物に乗るなどのストレスがかかったりすると、「頭痛い」とよく言っていたようです。

親から見ると、わたしの語彙力として、「体の不調全てを指す言葉=頭痛い」と覚えていると思われていたようですが、、、、、

この頃の記憶がある身としては、本当に頭が痛かったんです。

 

小学校1年生のときの朝

小学校に入学すると、保育園のときよりも早く起きなければいけなくなりました。

保育園時代は、他の家族の生活音で目を覚まし、お母さんが起こしにくるまで30分程度はお布団でゴロゴロしていたのに、目が覚めたらすぐに準備を始める生活になりました。

わたしは、目覚めてすぐに立ち上がると、頭は痛いし、立ちくらみはするし、胸がキューっと締め付けられる感じもして、なかなか布団から出ることができませんでした。

でも、ちゃんと学校に行きたいし、お母さんにいい子だと思われたくて、無理して起き上がって、全然食べたくないご飯も無理して少し食べて、準備をして登校していました。

ちなみに、このときの就寝時刻は夜9時。起床時刻は朝6時半。子どもの睡眠時間としては全然問題ないですよね。

 

登校後

小学校に登校すると、朝の出欠確認で、その日の体調を言うことになっていました。

わたしは、毎朝、事実として

「今日は頭が痛いです」

と言っていました。

すると、先生は保健室に連れていってくれて、保健室で横になることができました。

そのまま午前中が終わると、わたしは、すっかり元気になって、給食を食べて、授業を受けて、休み時間に遊んで、おうちに帰るというわけです。

 

小児科にかかる

入学してから毎日がそんな感じなので、親も心配して、わたしを小児科に連れていくことが何回かありました。

親は、わたしの頭痛を信じてくれているようでしたが、お医者さんは少し違ったようです。

「大人だったら片頭痛と診断がつきそうだけど、子どもは片頭痛にならない。お母さんの気を引くために嘘をついてるかもしれないね。」

※約20年前の小児科医の発言であって、今の脳神経外科医などにかかれば小児の片頭痛の事例は多く聞かれると思います。

要約するとこんな感じのことを言われていた気がします。いまのわたしからすると「お医者さーん、わたしに聞こえてるし、理解できてますよー!」って感じ。

要は、「サボり」「怠け」と思われていたようです。そんなことなかったんだけど。

それでも、お医者さんは、

「でも、本当に痛いかもしれないから、まずは気持ちを受け入れて、高学年になっても続くようならCTとかMRIとか撮ってみてもいいかも。」

と付け加えてくれていた気もしなくもない。そして、子どもでも飲める鎮痛剤を処方してくれた気がする。

 

学校での事件

3学期の中盤まで、学校では、ほぼ毎日午前中は保健室で過ごしていました。

ついに、先生も

「これはダメだ!」

と思ったようで、ある日から保健室には連れていってくれなくなりました。

そして言うのです。

「そろそろ2年生になるから、学校の生活に慣れないとね」

要は、先生も「サボり」「怠け」と思っていたんでしょうね。

ある日、午前中だけでなく、午後も続けて頭が痛い日がありました。寒気もするし、熱があるような気がしました。

わたしは何度も何度も先生に体調不良を訴えましたが、「ダメだよ」「頑張らなきゃ」「2年生になるんだよ」と繰り返され、どうにか1日を乗り越え、帰宅するなり倒れ込んでしまいました。

普通に風邪を引いていたんです。

このときに「わたし、まるでオオカミ少年だ」と思いました。

毎日の頭痛も食欲不振も動悸も全く嘘ではなかったけど、嘘だと思われているならもうそれは嘘だ。と。

 

保健室に行くのをやめた

この事件のあとから、「午後までには頭痛は回復するし、午前中だけ無理すればいいのだから」と思って、保健室に行くことをやめました。

大人たちは喜んでいたと思います。

でも、わたしのなかで、毎日の苦痛は変わりません。むしろ、無理をしているので、毎日の苦痛は増えていました。

でも、みんなも頑張っているんだ。だから、わたしだけ怠けてはいけないんだ、と思っていました。

なんて健気なんでしょう。我ながら涙が出てきます。

 

それから大人になるまで

学生時代は、とにかく無理をしました。

毎日毎日頭が痛くて食欲もない朝はできるだけエネルギーを使わずに過ごし、午後になると本領発揮。

結局、片頭痛についてはいまでもずっとあって、数年に一度は頭部MRIを撮っています。この検査結構高額なんだけど、脳出血とかだと危ないからとか何とか言われて定期的に撮られる。仕方ない。

なんだかんだ国立大学にも入ったのて、勉強面は特に問題ありませんでしたが、部活やクラブ活動を一生懸命できるほどの余力はなく、今でも無趣味に近いです。いまは愛する彼女と一緒にハロヲタをしているくらい。

 

起立性調節障害とは

ここで一応、起立性調節障害の説明を。

起立性調節障害とは、主に子供がなる自律神経の失調です。

症状としては、

  • 朝起きれない
  • 疲れやすい
  • 立ちくらみ
  • 頭痛
  • 食欲不振

などが挙げられ、基本的には午前中に集中して症状が現れます。

自律神経の失調が主な原因と言われ、「大人になるにつれて症状は緩和する傾向にある」というのが通説です。

不登校や保健室登校の原因になりやすい上、午後になると症状が緩和されることから「怠け」「サボり」と混同されやすいと言われています。

 

起立性調節障害だったと思う

先程の症状と、わたしの症状を見るに、おそらくあの頃のわたしは起立性調節障害だったんだろうと思います。

大人になった今では、起立性調節障害であろうとなかろうともう関係のないことではありますが、大人になって「あの時の症状は怠けじゃないよ」って言われているようで救われる思いです。

あれから20年もたった現在では、学校関係者を中心にこの障害の認知も広がり、医療現場でも診断方法が確立されているようです。

私自身としては、現在は、自分の不調を自分でケアしながら生活できているので、症状が完全に治ったわけではないけど、なんとか暮らせているといった状況です。

 

今のわたし

今のわたしは、片頭痛は相変わらずあるし、立ちくらみや吐き気、動悸も日常茶飯事。

仕事も数ヵ月に1回くらいは突発休を取っているし、毎朝遅刻ギリギリの出勤だけど、「自分の仕事は最後までやりきる」だけはちゃんとやっているつもりです。

心療内科にかかれば、いつでも「自律神経失調症」と診断されそうな状況だけど、体が弱いなりに適度に休みつつ生きています。

最後に

もし、現在進行形で起立性調節障害っぽいお子さんや、不登校・保健室登校のお子さんがいる保護者の方が読んでいれば、伝えたいことがあります。

「保護者だけは、保護者くらいは、子供のこと信じてあげて」

わたしの保護者である両親は、わたしに見せる顔としては、ちゃんとわたしを心配して、信じて看病してくれました。

他の大人に「怠けている」「サボっている」と思われていても、親だけはいつも味方だと思えたことで、自分と向き合えたし、乗り越えて自立できたなぁと思います。

現代の医学上の通説では、起立性調節障害は大人になれば治ると言われているけど、わたしの場合は、症状が完全に消失はしていません。

ただ、自分の特性を受け入れて、トライ&エラーで、自分の体調を調整できるようになっただけです。つまり、少し怖い言い方をすれば、自分の特性に気付かなければ自立できない可能性もあるということです。自律神経が弱い子どもの場合には、とにかく、自分自身の体調と向き合える環境を整えて、無理をしないで自分のペースを保つことを優先して自立を促してあげた方がいいのかな?と思います。

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