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子どもを産むことを諦めた話~LGBTQのわたしが難病になって~

こんばんは~

だいぶ前に、「【妊活進捗】いろいろありまして、妊活の方針を変更することになりました。」というお話をしたのですが、そのなかで、わたしが妊娠しないことになったとお伝えしました。

今回は、わたしが「妊娠すること」を完全に諦めるまでの出来事や心境を整理していきたいと思います。

これから妊活したい人、今現在妊活している人、妊活を終わりにするか迷っている人など、妊活に思いを馳せている方に届きますように。

 

目次

わたしがレズビアンであること

まず、わたしはレズビアンです。

自分のセクシュアリティについて、色々と考えてきた結果として、現時点ではレズビアンという自認に疑いはありません。

現在のパートナーももちろん女性で、5年以上付き合って、同棲もしています。彼女のことは誰よりも大切な存在で、家族以上です。

しかし、みなさんがお察しの通り、わたしたち2人の関係のなかで「自然妊娠」という出来事は起こり得ません。

 

法律婚夫婦以外が妊活をすることが難しいこと

さて、日本産婦人科学会のガイドライン上で、法律婚以外への生殖補助医療の提供は望ましくないとされていることをどれだけの人が知っているのでしょうか。

このガイドラインにより、わたしと彼女は、妊娠するために適切な医療に繋がることがとても難しいです。

もちろん、2022年4月に始まっている「不妊治療への保険適用」についても対象外です。

そのため、金銭的な負担が大きく、貯金を切り崩しながら治療を続けているのが現状です。

 

彼女とわたしの「妊娠」への思い

子どもを産みたいと言い始めたのは彼女でした。

静かに

「わたしは産みたいと思ってるよ」

と話した彼女を忘れることはありません。

このときには、子どもを産み育てているレズビアンカップルがいるなんて、想像もできないほどにわたしたちは無知でした。

しかし、調べれば情報は手に入り、産むための方法やメリット・デメリットもたくさん考えました。そして、

「彼女が産むなら、わたしも産みたい」

そう思うようになりました。

 

法律で妊活を禁止されるかもしれない

「2人とも産みたい」

という気持ちが固まった頃、法律婚夫婦以外への生殖補助医療の提供を禁止するような法律案が提出されそうであると報道されました。

これが意味するところは「わたしたちには時間がない」ということです。

この法案が通れば、わたしたちは妊活できません。

二人同時に妊娠・出産するほどの経済力も適応力もありません。

彼女に問いました。

「もし、わたしが産んだ後、『わたしも産みたかった』と公開しない?」

彼女は困惑し、そして、

「後悔する」

と言いました。

初めから、子どもを産みたいと望んだのは彼女です。これが全てです。

彼女が自分の気持ちを話せる人でよかった、と思いました。

こんなに大切なこと、子どもが産まれて、もう妊活もできなくなった後に判明したら、どうなっていたか。

 

わたしのからだのこと

「彼女が産みたい、それを叶えたい」

これが、わたしが妊活を諦めた最大の理由です。

しかし、決断したばかりの頃は「今後も後悔しない」と言い切れるほどの余裕はありませんでした。

そんなわたしに「完全に諦めた」と思える出来事がありました。

それが、難病発覚です。

※難病が発覚した詳しい経緯は「難病の腸管型ベーチェット病になったよ~病院から電話ってほんとにあるんだなぁ~」をご参照ください。

 

難病と不妊

わたしの病気の場合、妊娠を希望したとしても、健常の方と比べると受胎率が若干低くなるのではないか、と言われているようです。

また、治療の過程で、胎児に悪影響となる薬剤を使用する可能性もあります。

つまり、妊娠を希望する場合には、医師に相談し、計画を立てて実施していく必要があるということです。そして、計画を立てて妊活をしても、妊娠できる可能性が一般よりも低いと考えられているということです。

 

難病治療しているレズビアンの妊娠

わたしは、難病の治療をしている病院には、パートナーの存在をカミングアウトしています。

そして、わたしがレズビアンである事を公にして通える不妊治療クリニックはほとんどありません。

もし、レズビアンということを隠して不妊治療を受けていることが不妊治療クリニックにバレた場合大変な問題となるでしょう。今後そのクリニックでは、治療前のカップルに対してこれまでよりも厳重なチェックが導入されるでしょう。

そのような事態になれば、わたしだけではなく、妊娠を望む多くの方にとって不利益となるかもしれません。

 

ここまでの長文を読んでいただきありがとうございます。

いろいろな関係で、直接的な表現をできなかった部分もあり「どういうこと?」と思われた部分もあると思います。

簡潔にまとめると、

「わたしたちの経済状況として、法改正までに2人とも妊娠することは難しいこと」

「わたし自身の妊娠に対するモチベーションが彼女のそれよりも低いこと」

「難病により、不妊治療が難航する可能性があること」

「社会制度上の問題により、わたしが妊娠することが最大多数の幸福に反する可能性を秘めていること」

以上が、わたしが妊活を諦める理由に関わったことです。

彼女のことはもちろんですが、「妊娠したい」と思っている全ての人が適切な医療に繋がるような社会になってほしいと思っています。

その事を考えた時に、わたしは妊娠・出産を完全に諦めることができた、というわけです。

 

《妊活の話たち》

・始める前だけど、妊活の終わりを決めました【LGBTカップルの妊活】

・レズビアンカップルだけど子どもを育てたい【LGBTカップル・妊活】

 

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