わたしたちは、女性同士で同棲しているレズビアンカップルです。
わたしには、生理前後になると精神的に不安定になってしまう「PMDD(月経前不快気分障害)」という症状があります。
この症状が出ているときにも、彼女は、いつもと変わらずわたしをパートナーとして尊重して扱ってくれています。
そんな状況を知っている友人から「女性同士だから、生理前の不安定さを分かってくれるし、支えてくれるんだね」と言われました。
果たして、PMDDを理解して支えるということは、女性同士だからできることなのでしょうか?
今回は、わたしたちがPMDDをどう乗り越えているのか紹介します。また、乗り越える工夫は「女性同士だから」できることなのか、考えていきたいと思います。
目次
PMDDでどのような状態になるか
わたしの場合、PMDDの症状により、生理前後になると、パートナーに強く当たってしまったり、希死念慮が強くなることで「消えたい」などの不安定な発言が増えたり、と一般的にパートナーが負担と感じるような状態になります。
生理前後には、精神的な不安定さと身体的しんどさで仕事に行けないことも少なくない状態です。
わたしの場合、特定の期間を乗り越えれば、状態が安定し、職場で安定した状態しか知らない人からは「いつでも冷静で正確で効率的な作業ができる」という評価を受けていたりもします。
しかし、この「安定した状態」での評価が「不安定な状態」での自分自身をより認められなくさせる要因でもあったりします。。。
PMDDの時に、彼女がしてくれて嬉しいこと
以下に、PMDDの期間の彼女がしてくれることで「助かる」と思っていることをまとめました。
①生理用品を買って来てくれる
生理用品がなくなっているときには、買ってきてくれます。とはいえ、彼女が使いきったまま補充してないことが多いので、「わたしのため」というよりは彼女自身の責務のような気がします。
②欲しいものを聞いて買って来てくれる
仕事帰りなんかに、欲しいものを聞いてくれて、要望を伝えると買ってきてくれます。生理関係なく仕事帰りにはいつも「ほしいものある?」と聞いてくれるのですが、生理中は夕食を準備できなくて買ってきて欲しい時があるので、より助かります。
③泣き言を聞いてくれる
精神的に不安定なので、結構しんどい内容の泣き言を話すのですが、「うん、うん、」と言ってひたすら聞いてくれます。これは本当に助かります。
④勝手に行動しない
家事についても、ボディタッチについても、とにかく「勝手に行動しない」でくれます。
この時期は、家事をやってくれても「家事をしてないわたしへの当て付けだ」と思ったり、よかれと思ってバグされても「気持ち悪い!触らないで!」となったり、だいぶめんどくさい女です。サプライズでアイスとか買ってこられても「お腹が痛いのに冷たいものなんて!!」となったり、、、
なので、勝手に考えて行動しないでくれるのはだいぶありがたいです。
PMDDの彼女と付き合う時に気を付けていること
彼女に「わたしがPMDDの時に気を付けていることある?」と聞いたところ、「距離を置いてる」と言われました。具体的には、
・話し半分で聞く
真剣に話を聞いてくれてると思っていたのですが、「いや、だいたいで聞いてる」とのことでした。
共感してるっぽくしてるけど、そういうこと言うのはPMDD期間だけだから、深入りしても仕方ないでしょ!という理由のようです。それを聞いて、確かにそれはそう、と思いました。
共感してるフリでいい
わたしがPMDDの当事者としてこれが正解だろうな、と思う対応は「PMDD期間の彼女へは共感してるフリをする」です。
なぜなら、本人が落ち込んでいて不安定なのは『PMDDの期間だけ』だからです。
PMDD期間以外の時にPMDD期間の言動を責められたら、「なぜそんなことを言ってしまったのだろう」「その時のことを引き合いに出して欲しくないな」と思ってしまいます。
それほど、PMDD期間の自分とそれ以外の自分は別人です。
PMDDへの対応は、女性だから上手いのか
PMDDへの対応が、彼女が女性だから上手いのか、と言われると、それは違うのでは?と思います。
まず、彼女の対応を見ていて、助けられている当事者として、あのような対応は「わたしにはできないな」と思います。
彼女が定期的に病んで、仕事まで休んでいたら、一緒に落ち込んじゃうし、引きずっちゃうと思います。
そのため、「自分と他者」という関係をうまく割り切れる人がPMDDの彼女と上手く付き合えるのではないでしょうか。
PMDDの期間の彼女に深入りしても良いことは全くありません。これは断言します。
この期間の彼女に深入りするとそのまま長期的に共倒れしてしまう可能性が高いです。逆に、この時期の彼女と上手く距離を保てれば、PMDD期間後に回復する彼女のことも上手く受け入れて元の関係に戻れると思います。
PMDDの彼女には深入りしないように気を付けなければいけない、ということを考えると、共感や同調が得意と言われる女性同士の方が共倒れの危険が高いのかな?とも思います。
なので、PMDDの彼女と上手に付き合えることと性別というのは関係なく、「できる人とできない人がいる」のではないかな?と思っています。
医療の力を借りる
PMDDの彼女と上手く付き合うために、服薬などの医療を活用することもできます。
ピルや抗うつ剤、漢方など、PMDDに有効と言われる治療は複数あります。
とはいえ、医療を頼るのが万能、というわけでもないのが難しいところです。
わたし自身も、ピル、抗うつ剤、漢方について服用の経験がありますが、副作用がキツかったり、効果が実感できなかったり、などなど治療がうまく行かなかった経験があります。そのため、
「病院に行けばPMDDは改善できる!」
という期待は、当事者もパートナーもあまり持たない方がいいでしょう。
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